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Weber, J. K. R.*; Tangeman, J. A.*; Key, T. S.*; Loong, C.-K.*; 竹内 謙*; 鈴谷 賢太郎
Physics and Chemistry of Glasses, Vol.43C 2002, p.68 - 70, 2002/00
かんらん石(Forsterite, MgSiO)は、地球のマントル上部の主要構成物質であるので、結晶及び同組成の融体の物性を構造的に理解することは地球科学において大変重要である。しかし、かんらん石の融点は非常に高温であるため、融体の構造及び物性を調べることは大変困難である。そこで、融体のアナロジーとして、かんらん石組成のガラス物質を作製し、その構造及び物性を十分に理解することは、地球科学的に大変意義あることと思われる。しかし、かんらん石はオルトケイ酸塩であるため、通常はガラスになりにくい組成である。そこで、われわれは、溶解容器を使用しないArガス浮上COガスレーザー溶融法によって、通常の方法ではガラスを作ることが困難なかんらん石組成のガラスを作成し、パルス中性子回折によってその短距離構造を調べた。その結果、このガラスの構造は、レギュラーなMgO八面体からなる結晶(かんらん石)構造とは大きく異なっており、歪んだMgO (n=3-6)が頂点、稜共有で繋がった特異なネットワーク構造を持つことがわかった
小原 真司*; 鈴谷 賢太郎
Physics and Chemistry of Glasses, Vol.43C 2002, p.51 - 54, 2002/00
第三世代放射光源SPring-8より得られる高強度の高エネルギー単色X線の持つ短波長,高透過能から、回折実験によって、高い散乱ベクトルQ (350nm)まで(吸収補正などの)データ補正のほとんど必要ない精度の高い構造因子S(Q)を得ることが可能となった。最も典型的なネットワーク形成酸化物ガラス:シリカ(SiO)の高エネルギー単色X線回折による高精度のS(Q)データに、逆モンテカルロ・シミュレーション(Reverse Monte Carlo Simulation = RMC)法を適用することによって、ランダム系物質の物性を研究するうえで極めて重要であるにもかかわらずこれまでデータ解析がほとんど不可能であった中距離構造(短範囲構造ユニットのつくるリング構造など)の信頼できるモデルを構築することに成功した。今後、ランダム系物質の特異な物性は、本研究で示されたような、中距離構造を含む大きな構造モデルをベースに理解が進むものと考えられる。
梅咲 則正*; 喜多 善史*; 飯田 孝道*; 半田 克巳*; 小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 福永 俊晴*; 三沢 正勝*
Physics and Chemistry of Glasses, 41(5), p.304 - 308, 2000/10
アルカリボレート(KO 10, 30mol %-BO)ガラス及び融体の構造をパルス中性子回折で調べた。KOの量が増加することによって、動径分布関数のB-O相関に関する最接距離のピークが長い距離側にふくらみはじめ非対称なピークへ変化することがわかった。これは、アルカリ酸化物KOの添加によって、BOガラスのユニット構造であるBO三角形の一部が、BO四面体へと、変化したことを意味している。また、アルカリ金属イオンKの局所構造を調べるため、KのK吸収端でのEXAFS測定を行った。その結果、K-Oの原子間距離は2.83~2.86Åであり、Oは、Kの周り八面体的に6配位していることがわかった。
米田 安弘*; 小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 梅咲 則正*
Physics and Chemistry of Glasses, 41(5), p.282 - 285, 2000/10
シンクロトロン放射光からの高エネルギーX線による回折実験は、これまで液体や非晶質の構造解析の手段として強力な役割を担ってきたパルス中性子回折と並ぶ、あるいは一部それを上回る実験手段である。これまで、第3世代放射光施設を利用していくつかの成果が出されている。本研究では、大変強い高エネルギーX線単色光が得られるSPring-8においてBOガラスの回折実験を行った。BOガラスは、典型的かつ基本的なネットワークガラスの一つで、数多くの構造研究がなされているが、BOが自由につながっているのか、BOのボロクソールリングがユニットを形成しているのか、未だに決着がついていない。そこで、本研究では、高エネルギーX線回折の結果とパルス中性子回折の結果を併用し逆モンテカルロ法を両データに同時に適用することにより信頼性の高い構造モデルを得ることを試み、新しい知見を得た。